『誰も知らない』や『万引き家族』などで知られる是枝裕和監督が、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンといった豪華俳優陣や韓国人スタッフと共に撮った映画ということで、
映画『ベイビー・ブローカー』を観に、映画館へ行ってきました。
赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんと、その母親や、赤ちゃんを売ろうとするブローカーたち疑似家族の韓国縦断ロードムービー+ちょこっとサスペンスという感じの映画です。
作中では養子縁組制度や児童養護施設の描写を通して、中絶、育児放棄など母親や子どもに関する様々な問題が提起されていました。
邦画らしく物語が静かに淡々と進んでいく中で、登場人物それぞれの事情が徐々に明かされていきます。
ソン・ガンホやカン・ドンウォンの自然なお芝居や、イ・ジウンの繊細な表情などから、子どもを捨てた母親の気持ち、親に捨てられた子どもの気持ち、子どもから離れて暮らす父親の気持ちが如実に伝わってきました。
釜山や月尾島など、韓国の街の雰囲気や、風景の美しさも堪能できます。
ネタバレになりますが、、
イ・ジウンが子守唄を歌うシーンは、IUファン必見。
「雨」と「傘」に関する台詞、空を飛ぶようなカメラワーク、サスペンス要素の描写の仕方が間接的であること、ぺ・ドゥナが車の窓に付いた花びらをたぐり寄せるシーンなどの演出も良かったです。
劇場を出るとき、決して後味がいいわけではないけれど…
感想を語り合いたくなる、とても考えさせられる作品です。