韓国ソウルには東大門や南大門といった大きな門がありますね。
かつては西側にもこのような城門があり、西大門と呼ばれていました。
西大門の正式名称は敦義門といいます。
敦義門は日本統治時代に撤去され、ソウルの四大門の中で唯一現存していない門となっています。
今回はそんな敦義門の歴史に触れることができる敦義門博物館村(돈의문박물관마을)のご紹介です。
村の中にある展示館の敦義門歴史館(돈의문역사관)では、敦義門一帯の歴史や文化を知ることができます。
敦義門のそばの町はセムンアン村と呼ばれていました。
ここは1960年代からは学習塾密集街、1990年代からは食堂街として盛えました。
2003年に、この地域は隣の橋南洞と共に「敦義門ニュータウン」として選ばれ、建物を全部撤去し、公園になる予定でした。
しかし、ソウル市は2015年、町の原型を残すよう計画を変更します。
既存の建物を補修して、町全体を博物館にすることになり、2019年に敦義門博物館村が誕生しました。
敦義門歴史館は、1990年代から2000年代後半までイタリアンレストラン「アジオ」や韓定食屋「韓井」として運営されていた建物が活用されています。
アジオの1階では、朝鮮時代から日本統治時代までの敦義門とその周辺地域の変化の様子や、人々の暮らしの風景が紹介されています。
アジオの2階では、1950年代から2013年に撤去されるまでの橋南洞と、敦義門博物館村になったセムンアン村の都市建築の記録が展示されています。
韓井の2階は、アジオの2階と連絡通路で繋がっています。
ここでは、学習塾密集地から食堂街になったセムンアン村の変化や人々の暮らしが紹介されています。
韓井の1階では、食堂街だったセムンアン村が、現在の敦義門博物館村に変わる過程を展示しています。
三叉路理容院(삼거리이용원)では、1960〜70年代の理髪店が再現されています。
理容椅子や公衆電話を見ていると、どこか懐かしい気持ちになりますね。
西大門写真館(서대문사진관)は、近代の社交場と1980年代の結婚式場を再現したスタジオです。
小物を使って、実際に撮影してもらうことも可能ですよ~
セムンアン劇場(새문안극장)では1960〜80年代の映画館が再現されています。
1階では韓国映画の歴史と映画フィルムが展示され、2階では映画も上映されています。
生活史展示館(생활사전시관)は、1960〜80年代の住宅の台所や居間、勉強部屋が再現された展示スペースです。
かまどがある台所や、螺鈿箪笥のある居間を見ていると、タイムスリップしてしまったような気分になりますね♪
敦義門コンピューターゲーム場・セムンアン漫画喫茶(돈의문콤퓨타게임장‧새문안만화방)は、1960〜80年代に流行したゲームや漫画を楽しめる所です。
スーパーマリオやテトリスもありますよ〜
韓屋の体験プログラム施設(체험프로그램시설)もあり、伝統文化体験もできるようです。
このように敦義門博物館村は入場無料ですが、大変見ごたえのある観光スポットとなっています。
隣には慶熙宮やソウル歴史博物館もありますので、観光のついでに訪れてみてはいかがでしょうか?